医療コラム・レポート

医療レポートNo.15 まずは相談「過活動膀胱」

人には相談しにくい女性の頻尿や尿漏れの悩み。しかし、その原因は加齢のせいだけではないかもしれない。今回は「過活動膀胱」について、茅ヶ崎徳洲会の腎・泌尿器科/ER 能勢頼人部長に聞いた。

能勢 賴人

能勢 賴人のせ よりと泌尿器科部長、ER部長

専門 泌尿器科、総合診療科

所属学会

泌尿器科専門医・指導医、がん治療学会認定医、茅ヶ崎徳洲会病院家庭医療研修病院プログラム統括責任者、日本プライマリ・ケア連合会認定医・指導医、ロボット(da Vinci)手術認定医、総合診療専門医特任指導医、内分泌代謝科(泌尿器科)専門医、ICD(インフェクションコントロールドクター)

ご挨拶

患者様一人一人と信頼関係を築けるように、日々の診療を行っています。
最善の医療を提供できるように、日々、努力をしています。
健康について何かご心配な事があれば、お気軽にご相談して下さい。

40歳以上の男女の8人に1人はり患しているといわれる過活動膀胱。我慢出来ない強い尿意に突然襲われてしまうのが特徴だ。少量の尿で膀胱が過剰に収縮するため、トイレが近くなったり、就寝後何度も起きたり、強い尿意によりトイレにたどり着く前に尿が漏れてしまうことがある。能勢部長は「多くの場合は加齢による筋力の低下が要因。しかし、脳血管障害やパーキンソン病、糖尿病などによる、排尿をコントロールする神経回路の障害が原因となることも」と話す。

加齢のせいだとあきらめないで

治療では主に、対処療法である薬物治療と併用して、過剰な水分やカフェインの摂取を控えるなどの生活指導、少しずつ排尿間隔を延長し膀胱の容量を増加させる膀胱訓練などを組み合わせた行動療法を行っていく。

「我慢しすぎると膀胱炎のリスクもあるため、医師の指導のもと適切な治療を」と能勢部長。

冬は寒さで膀胱が収縮し、汗もかきにくく自覚症状が出やすい季節。残尿が多いと感染症の危険も高まってしまう。「頻尿は疾患です。加齢のせいだとあきらめないで、恥ずかしがらずに専門医へ相談を」

タウンニュース(寒川版、茅ヶ崎版) 2020.02.21号掲載