医療コラム・レポート

お役立ち医療コラムvol.2「胸痛や乾いたせきもしかしたら逆流性食道炎かも」

茅ヶ崎を拠点に周辺地域の医療を支える中核病院として、もしもの時は365日・24時間対応の「茅ヶ崎徳洲会病院」では、役立つ医療情報を連載で紹介しています。

第2回は、内科部長の曽根辰巳先生に消化器官のトラブルについて聞きました。

「胸焼けや、酸っぱい液が上がってくるなどの症状がある『逆流性食道炎』。胸痛、しわがれ声、乾いたせきといった症状が特徴的に表れる場合もあり、どの科目を受診すればよいか迷われる方もいらっしゃいます」

曽根 辰巳

曽根 辰巳そね たつみ内科部長・検査科部長

専門 内科・検査科

所属学会

日本消化器内視鏡学会専門医、日本内科学会認定医、難病指定医

ご挨拶

専門分野は消化器内科 特に内視鏡は心ある内視鏡を心がけています。
趣味はゴルフとマジックです。
地域の皆様が安心に生活できるよう微力ではありますが、誠心誠意、貢献したいと思います。

—どのような原因ですか

「食事の欧米化、加齢や長時間のスマートフォン操作などによる姿勢の悪さ、胃と食道のつなぎ目が緩む食道裂孔(しょくどうれっこう)ヘルニアなどによって引き起こされる場合があります」

—治療方法は?

「内視鏡(胃カメラ)で食道の炎症の状態を調べ、服薬や生活習慣の改善を行います。具体的には、暴飲暴食や脂肪分の多い食事、胃酸の分泌を高める辛い物やコーヒーなどの食品を控えたり、食後2時間程度は横にならないようにしたりと、生活習慣を改善します。自覚症状がなくなったからと、自己判断で止めてしまうと再発する可能性もあるので、医師の指示に従いましょう]

—ほかに身近な消化器官のトラブルは?

「胃に住み着くピロリ菌の感染による粘膜障害から、胃がんや胃かいよう、十二指腸かいようなどが発症するリスクが高まります。感染者は特に60代以降の方に多く、かつての上下水道の不備などが原因といわれ、家族に保菌者がいると経口感染する可能性もあります。ピロリ菌の有無については内視鏡などで検査でき、感染していれば早めの除菌が大切です」

湘南リビング2018.4.7号掲載