医療コラム・レポート

お役立ち医療コラムvol.8 のどが渇く前でもこまめな水分補給で熱中症予防を

茅ヶ崎を拠点に周辺地域の医療を支える中核病院としての役割を担う「茅ヶ崎徳洲会病院」。

今回は、これからの季節多くなる熱中症について内科医長の甲賀先生に聞きました。

「熱中症は、体内に熱がたまり、体温調節機能が上手くいかなくなった状態。軽度だと、頭痛や吐き気などの症状がみられます。また、汗をかきすぎて体内の塩分が少なくなり、手足に力が入らず立ち上がれなくなることも。さらに重症化すると、意識障害を起こす場合もあります」

甲賀 健史

甲賀 健史こうが たけし医長

専門 内科

所属学会

児科学会、小児神経学会、内科学会、プライマリケア連合学会、日本在宅医学会、総合診療専門医特任指導医、茅ヶ崎徳洲会病院在宅研修病院プログラム統括責任者、日本在宅医療連合学会認定専門医

ご挨拶

高校まで、湘南で過ごしました。馴染みのある茅ヶ崎で、地域の皆様のお力になれるよう、日々研鑽を重ねていきたいと思います。
将来的には、小児から成人までの幅広い訪問診療に携われたらと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

熱中症の予防法は?

「のどが渇いていなくても、こまめな水分補給をすることが大切です。また、寝ている間に熱中症になる人も多いのですが、寝る前にコップ一杯の水分を摂ることが予防にもつながります。ちなみにお酒は、より脱水症状が進んでしまうので、逆効果。ご注意を」

症状が出たときに、どのような処置が必要?

「軽度の場合は、まずは涼しいところで横になって休むのが一番です。その時、頭に血液を向かわせることが大事になるので、少し足を高くして休んでください。もちろん、口から水分摂取ができれば水分を摂ることも大切です」

摂取する水分はなんでもいいですか?

「できれば薬局などにも売っている経口補水液がおすすめです。経口補水液は、スポーツドリンクよりも塩分が多く、病院で受ける点滴の成分に近いもの。水分は腸内で吸収されますが、塩分と糖分の両方がないと吸収されにくいため、普通の水より経口補水液のほうが身体への吸収効率がより高くなります」

受診する目安は?

「呼びかけをして、いつもと様子が違う、返事がすぐ帰ってこないなどの症状がある場合や、水分を摂っても頭痛や吐き気が治らない場合は、早めに受診してください」

これからの暑い季節に、注意すべき点は?

外出前には、インターネットなどで高温注意情報や暑さ指数を調べて対策するのも有効です。
また、夏は車中に子どもの置き去りにすることによる死亡事故も多くなる季節です。車内の室温はあっという間に高温になり、少しの時間でも危険です。短時間でも置き去りはやめましょう」

湘南リビング2019.6.28掲載