医療コラム・レポート
”生命だけは平等だ”を基本理念に、周辺地域の医療を支える中核病院として、もしもの時は365日24時間対応の「茅ヶ崎徳洲会病院」では、今回から医療情報を連載で紹介します。
第1回は、院長代行(掲載当時)を務める立川先生に泌尿器のトラブルについて聞きました。
立川 隆光たちかわ たかみつ院長
専門 | 泌尿器科、透析 |
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所属学会
日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本内視鏡外科学会技術認定医、日本透析医学会専門医、ロボット手術プロクター(指導医)
ご挨拶
地域に密着した診療を心がけています。
前立腺等の泌尿器科疾患、腫瘍、結石、腎不全や透析等幅広い診療、手術等をおこなっています。
泌尿器科に抵抗を感じる人が多いそうですが
「特に女性は、尿トラブルを感じていても、デリケートな悩みのため、敷居が高く思われる方が多いようです。例えば、女性に多い急性膀胱炎の診察は、軽度なら問診や尿検査程度で済みます」
最近よく聞く「過活動膀胱」はどんな疾患?
「尿失禁や頻尿といった症状があり、男女ともに高齢になるほど罹患率が増える傾向です。『年齢だから仕方がない』と諦めたり、我慢してしまう方が多いようです。早めに治療すれば、症状の改善が望めます」
どんな検査や治療を?
「問診や尿検査、超音波検査、排尿日誌などによって診断します。女性の場合は、膀胱・子宮・尿道などを支えている骨盤底筋のトラブルによるものが多く、その場合、薬物療法や骨盤底筋を鍛える体操を行います。男性の場合、前立腺肥大症による場合があり、初期なら生活改善や薬で治る可能性があります」
ほかに、加齢で罹患率が増える前立腺疾患は?
「近年、食事の欧米化や高齢化で罹患率が増えていると言われる『前立腺がん』。日本人男性のがん罹患率でも、前立腺がんが第1位となりました。自覚症状はほとんどありませんが、血液中のPSA(前立腺特異抗原)を調べる事によって、早期の診断が可能です。自治体によっては検診項目にある場合もありますが、50歳を目安に定期的な検診を行いましょう」
湘南リビング2018.2.10号掲載