スポーツメディカルセンター・アカデミー
スポセン通信【2026年2月・臨時号外】
りくりゅうの感動と、日本冬季競技の快挙
―スポーツ医療が支える“挑戦し続ける身体”―
この冬、日本の冬季スポーツ界に大きな感動が広がりました。
フィギュアスケート・ペアでは、りくりゅう(三浦璃来・木原龍一)組が歴史的な金メダルを獲得し、
スノーボードでも日本勢が次々と世界の舞台で存在感を示しています。
競技は異なりますが、アスリートたちの背後には、日々の鍛錬と、身体づくりを支える医科学的サポートが確かに存在しています。
フィギュアスケートが示した「調和の身体」
りくりゅう組の演技は、技術と芸術性が高い次元で融合したものでした。
ペアスケートでは、リフトによる肩・腰への負荷、スロージャンプ着氷時の下肢衝撃、二人の動きを同期させる体幹・股関節の安定性など、複雑な身体ストレスが生じます。
これらに対応するためには、
- 体幹の安定性
- 関節可動域の維持
- 下肢アライメントの調整
- 適切な疲労管理 といった医科学的サポートが欠かせません。
スノーボードが示した「衝撃に耐える身体」
スノーボードでは、日本選手が空中での高難度技を次々と成功させました。
着地衝撃による下肢ストレス、空中姿勢を保つ体幹・股関節の連動、回転技による前庭機能の負荷、腰椎への反復ストレスなど、こちらも高度な身体コントロールが求められます。
そのため、
- 下肢アライメント評価
- 体幹・股関節の強化
- 柔軟性と筋力のバランス調整
- 疲労蓄積の可視化 が重要となります。
∴すなわち、異なる競技に共通する「医療の役割」として、
- 体幹・股関節の安定性
- 関節可動域の維持
- 衝撃吸収能力の向上
- 疲労管理とリカバリー といった、
“ケガをしない身体をつくり、挑戦を続けられる状態を保つこと” が重要となります。
スポーツメディカルセンターとしての姿勢と
センター長としての今後の目標
「研究を続けてきた者として、そして新しいセンターとして、できることを一歩ずつ...」
当センターは開設して間もなく、まだ多くの方に知っていただいている途中ではありますが、
「ケガを治す医療」から「ケガをしない身体をつくる医療へ」という理念も大切にして参ります。
この冬、りくりゅう組の金メダル、そしてスノーボード日本勢の活躍に深い感動を覚えました。
世界の舞台で挑戦し続ける姿は、スポーツに関わるすべての人に大きな勇気を与えてくれます。
私はスキー・スノーボードの外傷メカニズムについて、医師として3年目の1996年に整形外科・スポーツ医学会のシンポジウムで発表し、4年目に医学雑誌の分担執筆、10年目に日本整形外科学会教育研修講演ほか、大変拙い研究でしたが周りの方々の協力で学会報告を務めて参りました。特にスノーボードは華やかな競技である一方、着地衝撃や回転技による負荷が大きく、外傷のリスクも高い競技です。
これからも、研究で得た知見と医療現場での経験を生かし、何よりも患者様、そして地域の皆さまの健康とスポーツ活動を⻑く支えていけるよう、歩みを止めず取り組んで参ります。
(文責: 整形外科部長・スポーツメディカルセンター長 塩谷英司、企画広報 餅田 隆)






