内視鏡センター
概要
⽇本⼈の死因は1981年以来「がん」が⼀位で、がんによる死亡数は年々増加し続けています。
2016年のがん罹患数(予測値)はおよそ100万⼈。今や国⺠の2⼈に1⼈はがんになる時代です。そのうち1位の「⼤腸がん」はおよそ14万7千⼈、2位の「胃がん」はおよそ13万4千⼈ですから、両者で全体のおよそ3割を占めています。
⼤腸がん、胃がんは早期発⾒されれば根治可能ながんです。そして、「⼤腸がん・胃がん」の診断に内視鏡検査は⽋かせません。がんを根治可能な状態で発⾒し、少しでも健康寿命の延⻑に貢献することは私たち内視鏡センターの使命のひとつです。
しかし、がんは早期には⾃覚症状が現れにくいため、ついつい検診や検査から⾜が遠のいてしまいがちです。私たちの健康を維持するためには、内視鏡検査をより⾝近なものにしていくことが⼤切です。
そのために、内視鏡センターは「またここで内視鏡を受けたくなる」ような、安⼼・安全で快適な内視鏡検査をご提供することを⽬指します。
当センターの特徴
- ⽉曜⽇から⾦曜⽇までの午前・午後に検査。予約は原則2週間以上お待たせしません。
- 鎮静剤・鎮痛剤を使⽤して苦しくない内視鏡検査ができます。
※当院では鼻から入れる「経鼻内視鏡」が可能です。希望される方は外来でご相談下さい。口からの内視鏡に比べ、太さが半分ほどになるため、違和感が少なくなります。また、鼻から挿入することで検査中の反射を抑えることが出来ます。 - 健康診断・人間ドックでは経鼻内視鏡を行っておりません。
- 胃カメラならば当⽇実施も可能。
※医師の判断、混雑状況により当日行えない場合もございます。ご了承ください。- 胃カメラの電話でのご予約はできません。
- ⼤腸カメラでは腸管洗浄剤の内服を看護師が指導します。
- ⼤きなポリープを切除しても、そのまま安静⼊院できるので安⼼です
- 胃カメラと⼤腸カメラを続けて同じ⽇に検査することもできます。
検査内容
上部消化管内視鏡(胃カメラ)
こんな症状のある⽅は胃カメラがおすすめです
- ⾷欲がない
- 体重が減る
- 吐き気がある・こみ上げる・胸焼けがする・嘔吐する
- お腹が痛む
- 家族に胃がんになった⼈がいる
胃カメラでわかる主な病気について
- 胃炎
- ヘリコバクター・ピロリ菌が胃壁に感染すると、胃炎・胃潰瘍や胃癌をひき起こすことがわかっています。ピロリ菌の感染が現在も進⾏しているのか過去のものなのかは胃カメラだけでなく、⾎液中の抗体検査や尿素呼気試験、便中抗原検査を併⽤して確認する必要があります。詳細は外来担当医師にご確認ください。
- 胃潰瘍
- 胃ポリープ
- 胃がん
- 逆流性⾷道炎
- ⾷道裂孔ヘルニア
- ⾷道癌
当センターの上部消化管内視鏡(胃カメラ)のながれ
- 外来受診
- 外科外来・消化器外科外来・内科外来を受診し検査説明を聞いていただきます。
- 検査当⽇
- ⾷事をしないで来院してください。
- 鎮静剤をご希望のかたには腕に点滴の針を留置します。
- 喉の奥の⿇酔をします。10分後に検査室にご案内します。
- 検査は10分くらいです。
- 体の左を下にして横になります。
- ⾎圧計や酸素飽和度モニターを装着します。
- 鎮静剤を注射します
検査のコツ
- 肩の⼒を抜いてリラックスしましょう
- 喉の奥をOの字にあけるイメージで喉の⼒を抜きましょう。
- 頭を動かしたり、喋ったり、⾆を動かしたりすると検査の妨げになります。注意しましょう。
- お⼝の中に溜まった唾液は外に垂れ流すようにしてください。
- 胃カメラで喉の奥を押し込みますが、飲み込もうとするとむせやすいので、飲み込まず、押されっぱなしで受け⼊れましょう。何よりも体を楽にしてください。
検査後
- 鎮静剤を使⽤した場合、1時間ほど回復室のベッドで休んでからおかえりいただきます。
下部消化管内視鏡(⼤腸カメラ)
こんな症状のある⽅は⼤腸カメラがおすすめです
- 便潜⾎検査が陽性
- 早期⼤腸癌の5割、進⾏⼤腸癌の1〜2割は検診の便潜⾎検査で陰性になってしまいます。検診結果に関わらず、次のような症状が気になるかたは⼤腸内視鏡検査で精密検査しましょう。
- 下痢や⾎便が続く
- 下痢や⾎便が続く場合、潰瘍性⼤腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患が隠れていることもあります。炎症性腸疾患は内視鏡検査で診断します。
- 便に⾎や粘液が混じる
- 便が細い
- 残便感がある
- 腹部に膨満感がある
- 便秘と下痢を繰り返す
- 貧⾎症状がある
- お腹がゴロゴロと鳴る
- 家族に⼤腸癌にかかった⼈がいる
- ⼤腸ポリープを指摘されたことがある
⼤腸カメラでわかる主な病気について
- ⼤腸ポリープ
- ⼤腸がん
- 炎症性腸疾患(潰瘍性⼤腸炎やクローン病など)
- 潰瘍性⼤腸炎
- クローン病
- 腸管ベーチェット病
- 腸管アメーバ
- 腸結核
- 痔核
- ⼤腸憩室
当センターの下部消化管内視鏡(⼤腸カメラ)のながれ
- 外来受診
- 外科外来で問診し内視鏡検査⽇程を決めます。下剤を内服するなどの前処置が必要なので当⽇の検査はできませんが、2〜3週間以上お待たせすることなく検査ができます。
- 検査前⽇
- 下剤を内服します。
- 検査当⽇
- 9:00に検査室に来ていただきます。腸管洗浄剤を少しずつ内服して⼤腸内をきれいに洗い流します。
- 最初は茶⾊い液状の便がでますが、しだいに透明な⽔便になります。透明になったら検査です。
- 検査後
- 検査後は観察室ベッドで休憩してから帰宅していただきます。
内視鏡をご希望の方は外来受診の際にお気軽にお問い合わせください。
外科・消化器外科・消化器内科の医師が担当してご案内します。
下部消化管内視鏡(⼤腸カメラ)検査時のお食事について
普段大腸の中には、便が溜まっています。このような状態では、便の下に隠れた病変を見逃してしまい、万全な検査結果は望めません。その為検査の前日から食事制限などしていただきます。
検査前日
食事は前日の19時までに済ませるようにしてください。それ以降は、水やお茶など、濃い色の付いていない透明な飲み物は飲むことができます。夕食は、うどん・おにぎり・おかゆ・スープ等の低繊維・低脂肪食などが望ましいです。避けてほしい食べ物は、肉・油物・きのこ・豆・野菜・海藻・乳製品・キウイフルーツやイチゴなどの果物です。前日もアルコールの摂取は控えてください。
検査当日
検査当日の検査前は食事を摂ることができません。朝から水やお茶など、濃い色の付いていない透明な飲み物は飲むことができます。コーヒー・牛乳・ジュースなどの濃い色のついた飲み物は検査に影響がでるため飲むことができません。